家カレーの謎〜カレー漫画『今日もカレーですか?』〜
今日も一日が過ぎるのが遅くて気が狂いそうなので、kindle unlimitedで漫画を探して読んでいる。そこで見つけたカレー漫画、『今日もカレーですか?』。印度カレーカリー子のレシピを爆読みしたせいでサジェストされたのかもしれない。
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黒部ちな、18歳。
この春、上京して来ました。
不安はいっぱいだけれど、ここから私の・・・カレーなるキャンパスライフが始まる!?
女子大生×カレー×青春!!
実在の名店たちが多数登場する
超本格カレーストーリーここに開幕!!
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実在の名店?
料理系かと思ったら、孤独のグルメ系の実レポ系グルメ漫画じゃないか。一身上系の都合で東京のカレー屋には行けないけど、しかし行けないからこそ読みたい。気づいたらダウンロードしていた。
目次を読むと、色んなカレー屋が並んでいる。いい感じ。でも左側のコマはどの「お店」でもない。このコマはどう考えても「家カレー」だ。第一話は中村屋なはず。さっさと見せてくれ、中村屋の、あの魔人のランプの上半分切ったみたいな容器に入れたカレールーを、、、、と、そんなにいらつかなくてもちゃんと中村屋のカレーは出てくる。しかし、そこにはなぜかあるカレーの影がチラつく、、、、
「私の知ってるカレー」、それってなにカレー?もちろん「家カレー」だ。中村屋のカレーを食べて開口一番、「え!?私の知ってるカレーと全然違う!」って、普通なんだろうか?「複雑な味がする、、、」。家のカレーと比べてるんだからそりゃそうだろう。
こいつ、いつまで「家カレー」の話する気だろう?また「複雑」って言ってるし。でも拙者にはわかる。この漫画は、実在のカレー店をルポってく漫画と見せかけて、実は究極の謎である「家カレー」をルポするという真意を隠しているに違いないコポォ。「中村屋のカレー、、、家カレーと違う、、複雑、、、、」というこの一連の流れは、そのための屈伸にしか見えないでおじゃ。
しかし、確かに「家カレー」って謎だ。カレーはそもそも謎系の料理だけど、家カレーの謎っぽさは味がどうとかの話ではない。家で食べてるときは何も思うことがないのに、家から出ると途端に「家カレー」という特別さを伴って意識に急浮上してくるのが謎なのである。
家で食べてる時はカレー。家を出るとそれが「家カレー」になる。簡単に言えばそういう流れだ。この謎っぽさは、多分「カレー」ではなく「家」に起因するものだと思う。自分の家の匂いは、実は自分が一番よく知らない(「お前んちドブ臭くない?」)。久しぶりに帰ったりして、ようやく気がつくようなものなのだ(「俺んちドブ臭くない?」)。
だけど、同時にこうも思う。なぜ家「カレー」なのか。「家生姜焼き」とか「家焼きそば」とか「家ハンバーグ」とかじゃなくて、なぜ「家カレー」なのか。その謎はおそらく、逆に「家」じゃなくて「カレー」にあるのだろう。そんなことを思いながら、今日が終わるのを待ちたい。